日本には古くから郷土に伝わる伝統薬・家庭薬が多数存在します。
今ではなかなかお目にかかれないものも多いですが、根強い固定ファンが存在するのもまた事実!魅力ある伝統薬・家庭薬について紹介していきます。
命の母
言わずとしれた婦人薬として著名な命の母ですが、かつては株式会社笹岡薬品から販売されていたようです。現在は小林製薬から『女性保健薬 命の母A』が販売されています。前身の『命の母』について、紐解いて行きたいと思います。
会社沿革
笹岡薬品HPより一部抜粋
1903.9 創業者笹岡省三、内務省より『命の母』の売薬許可を取得
1905.4 「命の母本舗 笹岡省三薬房」東京に設立
2005.4 小林製薬株式会社と『命の母』独占販売契約締結
命の母 由来・歴史
奈良県出身の創業者の笹岡省三は、血の道(※月経時、更年期、産後などの女性に見られる頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、疲労感、月経異常などの諸症状)に効く大行的な漢方処方、四物湯、当帰湯、当帰芍薬散、当帰四逆湯などを参考に開発したとされます。東京を中心に認知度が高かった中将湯と対象的に、大阪で製造されていた命の母は関西圏を中心に認知されてきた薬です。
「命の母」という名称は,当時「婦人病者が全幅の信頼をもって迎えるような理想薬をつくりたい.それは文字通り“婦人の生命”であるというような思いから「命の母」と名づけられた」との記録が残っている(笹岡省三語録より).
ファルマシア 50 巻 , 10 号 家庭薬物語より一部抜粋
現在の「命の母A」の構成生薬
歴史上の「命の母」と、現在販売されている「女性保健薬 命の母A」は区別して確認しましょう。現行の命の母Aは、13種類の生薬にビタミン類などを組み合わせた第2類医薬品です。ホルモン剤ではありません。
| 配合生薬 | 1日量12錠中 |
|---|---|
| ダイオウ末 | 175mg |
| カノコソウ末 | 207mg |
| ケイヒ末 | 170mg |
| センキュウ末 | 100mg |
| ソウジュツ末 | 100mg |
| シャクヤク末 | 300mg |
| ブクリョウ末 | 175mg |
| トウキ末 | 300mg |
| コウブシ末 | 50mg |
| ゴシュユ | 40mg |
| ハンゲ | 75mg |
| ニンジン末 | 40mg |
| コウカ | 50mg |
出典:小林製薬「命の母A」製品情報(2026年9月30日確認)。トウニン・ボタンピ・コウボクは、現行品の成分欄にはありません。生薬の一部が漢方処方と共通していても、その処方と同じ薬として扱うことはできません。
命の母Aの効能・効果
★効能効果
更年期障害、更年期神経症、血の道症注)、のぼせ、生理不順、生理異常、生理痛、肩こり、冷え症、肌荒れ、めまい、耳鳴り、動悸、貧血、にきび、便秘、ヒステリー、帯下、産前産後、下腹腰痛、血圧異常、頭痛、頭重
注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期等女性のホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安やいらだち等の精神神経症状及び身体症状のことである
効能・効果は上記の公式製品情報に基づきます。体質・症状や服用中の薬によって適否は異なります。「誰にでも合う薬」と考えず、迷う場合は薬剤師・登録販売者に相談してください。
飲み方と使用前に確認すること
15歳以上は1回4錠を1日3回、毎食後に水またはお湯で服用します。15歳未満は服用できません。授乳中は本剤を服用しないか、服用する場合は授乳を避ける必要があります。
治療中、妊娠中・妊娠の可能性がある人、薬などでアレルギーを起こしたことがある人、体力が衰えている人、胃腸が弱く下痢しやすい人は、服用前に医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。発疹や強い腹痛などの副作用が疑われる場合、便秘・下痢が続く・強まる場合、しばらく飲んでも改善しない場合は中止して相談します。出血が長引く場合も相談が必要です。
ここでは注意事項の要点を紹介しています。服用前には公式製品情報と添付文書を確認してください。命の母ホワイトなど、別製品の用法・成分とは区別してください。
小林製薬公式YouTubeで見る「命の母A」
長く親しまれてきた命の母Aが、現在どのように紹介されているかを見られる公式CMです。飯島直子さん出演「女性ホルモンと自律神経の乱れ」篇(15秒、2026年6月公開)を紹介します。
出典:小林製薬の公式発表/YouTubeで視聴。メーカーによる広告動画です。服用の判断は、CMの印象だけでなく、製品の効能・注意事項を確認して行いましょう。
まとめ
いつの時代も何かと忙しい女性の強い味方が、伝統薬として現代に伝わっていることも感慨深い製品です。