ドラッグストアで対象OTC医薬品を買ったとき、「セルフメディケーション税制対象」とレシートに印字されていることがあります。
では、そのレシートは確定申告で提出するのでしょうか。2026年時点の実務を先にまとめると、申告時にレシートそのものを提出するのが基本ではありませんが、5年間は保管しておく必要があります。
そもそも誰が使える?
セルフメディケーション税制は、対象OTC医薬品を買えば誰でも使える制度ではありません。
申告する本人が、その年に健康保持・疾病予防のための「一定の取組」を行っている必要があります。
国税庁が例示するのは、次のような取組です。
- 健康保険組合等の健康診査、人間ドック
- 予防接種
- 勤務先の定期健康診断
- 特定健康診査・特定保健指導
- 市区町村のがん検診 など
家族分の対象医薬品をまとめて申告する場合でも、「一定の取組」が必要なのは原則として申告する本人です。
いくら買えば対象?
控除額は、対象となる特定一般用医薬品等の年間購入額から12,000円を差し引いた金額です。
控除できる金額の上限は88,000円です。
例えば、対象商品の年間購入額が30,000円なら、計算上の控除額は18,000円です。
ここでいう18,000円がそのまま還付されるわけではありません。所得から差し引く「所得控除」の金額です。
対象商品はレシートで確認できる
国税庁は、セルフメディケーション税制の対象商品について、購入時の領収書等に対象商品である旨が表示されると説明しています。
パッケージに共通識別マークがある商品もありますが、すべての対象品でマーク表示が必要なわけではありません。迷ったときはレシート表示や厚生労働省の対象品目一覧で確認します。
セルフメディケーション税制のレシートは提出する?
令和3年分以後は、確定申告時に「セルフメディケーション税制の明細書」を添付します。
対象医薬品のレシートそのものは通常、申告時に一緒に提出しません。
ただし国税庁は、申告期限等から5年間、税務署が領収書の提示または提出を求める場合があるとしています。
つまり実務では、
提出しない → 捨ててよい
ではありません。
提出しない → 自宅で5年間保管する
が正解です。
健康診断の証明書も保管
「一定の取組」をしたことを示す書類も、令和3年分以後は申告時の添付・提示が不要ですが、5年間は税務署から提示・提出を求められる可能性があります。
健康診断の結果通知、予防接種の領収書など、該当する証明を捨てずに残しておく方が安全です。
通常の医療費控除と両方使える?
同じ年に、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制を両方適用することはできません。どちらか一方を選びます。
国税庁は、いずれかを選択して申告した後に、更正の請求や修正申告で選択を変更することもできないと説明しています。
医療費が多かった年は、どちらが自分に適するかを申告前に比較する必要があります。
薬剤師の視点で一番大事なこと
店頭では「対象マークがあるか」だけに目が行きがちですが、制度利用では、
- 対象商品か
- 申告本人が一定の取組をしているか
- 年間購入額が12,000円を超えるか
- 通常の医療費控除とどちらを使うか
- レシート等を5年間保存しているか
まで揃って初めて実務になります。
まとめ
2026年のセルフメディケーション税制では、対象医薬品のレシートを確定申告時にそのまま提出するのが基本ではありません。しかし、5年間は保存が必要です。
対象OTCをよく買う人は、年末に集め直すより、購入時からレシートを1か所にまとめておくのが最も簡単です。
一次情報
- 国税庁 No.1129「特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1129.htm
- 国税庁 No.1134「取組を行ったことを明らかにする書類の具体例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1134.htm