ジェネリック医薬品は、先発医薬品と治療学的に同等であることを確認して承認される薬です。ただし、添加物や見た目、製造方法まで、どの製品でも同じという意味ではありません。原薬・製剤・薬の名前を整理すると、その違いを理解しやすくなります。
まずは厚労省の公式動画で基本を確認
厚生労働省の「ジェネリックの効用」(2021年公開、約1分20秒)は、先発医薬品とジェネリックの基本的な関係を説明する動画です。
YouTubeで公式動画を見る。現在の個別製品の供給状況や、あなたに合う薬への変更可否を判断する動画ではありません。
おくすりは「材料+工夫」と考えるとわかりやすい
私は、製剤を理解する入り口として「料理」にたとえて考えています。材料に当たるのが薬の有効成分で、それを使いやすい形に仕上げるのが製剤化の工夫です。ただし、これは理解のためのたとえで、医薬品には品質を管理するための基準や試験があります。
原薬は、医薬品の製造に使われ、有効成分となる物質です。製剤は、それを錠剤・カプセル剤・顆粒剤・液剤など、使用する目的に合う形にしたものです。添加物や製造工程には、成形しやすくする、安定性を保つ、味や飲みやすさを調整するなどの役割があります。
剤形や投与経路は、成分の性質、治療の目的、患者さんの状態などに応じて選ばれます。「内服できないときだけ注射を使う」という一律の順位ではありません。
一般名と販売名は何が違う?
一般名は有効成分を示す名前、販売名は個々の医薬品につけられた名前です。同じ有効成分でも、含量や剤形、製造販売会社が違えば別の製品になります。薬の確認では、名前だけでなく含量と剤形も一緒に見ることが大切です。
医療用後発医薬品の販売名は、原則として「成分の一般的名称+剤形+含量+会社名(屋号等)」という構成です。すべての既存製品がこの表記に統一されている、という意味ではありません。根拠は厚生労働省の販売名に関する通知で確認できます。
ジェネリックの「同等」とは?
PMDAは、後発医薬品を、先発品と同じ有効成分を同じ量含み、同じ投与経路で使う製剤で、効能・効果と用法・用量も原則として同じものと説明しています。そのうえで、生物学的同等性試験などにより、治療学的に同等であることを確認します。
これは「薬の力量」や「効果のポテンシャル」という独自の尺度で比べるものではありません。承認に必要な試験で評価される一方、添加物や色・形などには違いがある場合があります。同じ成分名だけを見て、含量や使い方が違う製品を自分で置き換えることは避けてください。詳しくはPMDA「後発医薬品」をご覧ください。
ジェネリックは一般に研究開発費を抑えられるため、先発品より薬価が低くなっています。ただし、安さと、個々の製品の使いやすさ・供給状況は別々に確認する必要があります。厚生労働省の解説では、品質と安定供給の課題も示されています。
AGは「先発メーカーから許諾を受けたジェネリック」
オーソライズド・ジェネリック(AG)は、先発医薬品メーカーから許諾を受けたジェネリック医薬品を指します。原薬・添加物・製法等が先発品と同じものや、特許使用の許可を得て販売されるものがあります。
したがって「AGならすべての点で先発品と全く同じ」と一括りにせず、比較する製品についてメーカーが公開している情報を確認しましょう。また、すべての先発品にAGがあるわけではありません。第一三共エスファ「オーソライズド・ジェネリックとは?」が説明の一例です。同社製品についての説明を、他社の全製品に広げて読むことはできません。

薬局で相談するときの確認点
ジェネリックへの変更を考えるときは、費用だけでなく、錠剤の大きさ、飲みやすさ、添加物についての心配、これまでの服薬状況なども薬剤師に伝えましょう。変更できる製品や供給状況は、処方内容と薬局で確認します。
変更後に体調や飲みやすさで気になることがあれば、その内容と時期を医師・薬剤師に伝えてください。「先発品だから必ず良い」「ジェネリックなら必ず使いやすい」と決めつけず、続けやすい治療を相談するための判断材料になれば幸いです。
製造時の品質管理については、GMPの基本を解説した記事も参考にしてください。